倉敷出身の建築家・浦辺鎮太郎の建物を解説付きで巡る「くらしきアーキツーリズム」、倉敷市庁舎と美観地区で11月に開催

「アートのまち倉敷」実行委員会(事務局:倉敷市観光課)は、倉敷出身の建築家・浦辺鎮太郎が手がけた建物を解説付きで巡る「くらしきアーキツーリズム」を開催します。対象は倉敷市庁舎、倉敷考古館、倉敷国際ホテルの3つで、2026年11月6日(金)から21日(土)にかけて、倉敷市庁舎と倉敷美観地区で計4回行われます。参加費は市庁舎ツアーが無料、美観地区ツアーが500円です。定員はどちらも各回先着30名となっています。建物の形だけでなく、つくり手の思いやまちの歴史にも触れられる内容で、建築の知識がなくても楽しめます。

建物を目的に旅する「アーキツーリズム」と浦辺鎮太郎
「アーキツーリズム」とは、建物やまちなみを知るためにその場所を訪ねる旅のことです。倉敷には魅力的な建築が数多くあります。今回のツアーでは、1963年(昭和38年)に完成した倉敷国際ホテル(築63年)や、1980年(昭和55年)に完成した倉敷市庁舎(築46年)など、倉敷を代表する建築を手がけた浦辺鎮太郎の歩みと作品に光を当てます。
浦辺鎮太郎(1909~1991年)は、1934年に倉敷絹織(現・クラレ)に入社し、1964年に独立して建築設計事務所を開きました。倉敷では、大原美術館分館、倉敷国際ホテル、倉敷市民会館、倉敷アイビースクエア、倉敷市庁舎などを設計しています。実業家・大原總一郎のもとで、歴史的な町並みを守りながら近代建築を調和させるまちづくりを推進しました。歴史的建造物の保存・再生や文化を生かした都市づくりを実践し、現在の倉敷の景観と魅力の形成に大きな影響を与えた人物です。

2つのツアーの見どころ
倉敷市庁舎ツアー「シンボルタワーと市民ホールのある市庁舎」
浦辺建築の集大成のひとつといわれる倉敷市庁舎の内部を、解説を聞きながら見て回ります。八角形の吹き抜けやモザイクタイルといった倉敷らしさを感じられるポイントに加え、屋上の展望台、議場、市民ホールも見学します。7月に子ども向けに実施した回には保護者を含めて39名が参加し、「なかなか行けない場所に行けて嬉しい!またしてほしい!」という声が寄せられました。
倉敷美観地区建物ツアー「新旧調和」と浦辺建築の原点
美観地区にある浦辺作品のうち、倉敷考古館と倉敷国際ホテルの2つを巡ります。浦辺鎮太郎の建築家としてのデビュー作である倉敷考古館は、倉敷川が折れ曲がる中橋のたもとに建っています。川沿いの古い蔵を生かした部分と、浦辺鎮太郎が手がけた北側の増築部分から「新旧調和」を感じられる建物です。なお、考古館では館内には入らず、建物の外から解説を行います。
代表作の一つである倉敷国際ホテルは、コンクリート打ち放しの庇と白壁が何層にも重なった特徴的な外観を持っています。大原總一郎氏と浦辺鎮太郎氏がどのような思いでこのホテルをつくったのか、その背景を聞きながら、フロントロビーの吹き抜けや棟方志功の版画を見学します。天気がよければ、普段は見られない屋上にも上がります。
協力会社である株式会社浦辺設計の取締役 執行役員で一級建築士の河本二郎氏は、建物の見どころや特徴、コンセプトを知ることで建築家の考えや時代背景も見えてきて、倉敷のまち歩きが楽しくなるとコメントしています。また、実行委員会事務局の倉敷市観光課は、古いものを守りつつ新しい建築を取り入れ、それが見事に調和している美観地区のまちなみを本市の大きな誇りとし、ツアーを通じてその魅力の背景にあるつくり手の思いに触れてほしいとしています。

開催概要と関連イベント
倉敷市庁舎ツアーと美観地区建物ツアーの詳細は以下のとおりです。対象はどなたでも参加でき、小学生は保護者の同伴が必要です。申込期限はいずれも各ツアー日の前日で、申し込みは「アートのまち倉敷」実行委員会のInstagram(@art_kurashiki)プロフィール欄のリンクから受け付けています。
- 倉敷市庁舎ツアー:2026年11月6日(金)、11月13日(金) 10:00〜11:30/開催場所は倉敷市役所(倉敷市西中新田640番地)、集合場所は倉敷市防災危機管理センター153会議室/参加料無料/各回先着30名(要予約)
- 倉敷美観地区建物ツアー:2026年11月7日(土)、11月21日(土) 10:00〜12:00/開催場所は倉敷美観地区(倉敷考古館、倉敷国際ホテル)、集合場所は倉敷館2階(倉敷市中央1丁目4-8)/参加料お一人様500円(要予約)/各回先着30名。11月7日(土)は定員に達しています
関連イベントとして、倉敷アイビースクエア 愛美赤煉瓦館では、2026年11月1日(日)から28日(土)まで、ReciproCities建築展「デュドックと浦辺鎮太郎の知られざる物語」が開かれます。浦辺鎮太郎と、彼が学生時代から憧れていたW.M.デュドックを取り上げる展覧会で、入場無料、休館日はありません。あわせて、参加無料・予約不要(定員200名、先着順)のシンポジウムも2回予定されています。
- シンポジウム-1「美しい町並みと建築家の関わり-浦辺鎮太郎とデュドック」:2026年11月7日(土)14:00-16:30、倉敷市立美術館 3階 講堂
- シンポジウム-2「倉敷の町並みのこれからを 建築の視点で語り合う」:2026年11月14日(土)14:00-16:30、倉敷市立倉敷東小学校 体育館
主催の「アートのまち倉敷」実行委員会は、倉敷市観光課、倉敷観光コンベンションビューロー、公益財団法人大原芸術財団、倉敷市立美術館、倉敷芸術科学大学で構成されています。アートに関する観光資源を一体的に活用した観光施策を官民一体で進め、倉敷へ新たな観光客を呼び込むことを目的に活動しています。令和4年度から4年間、周遊イベントとして「くらしきアーキツーリズム」事業を実施しており、今年度の建物ツアーは初の試みです。
出典:倉敷市観光情報発信協議会










