宿泊施設のインバウンド集客を戦略から実行まで伴走 Hinotoriが総合マーケティング支援、SQUEEZE・東急での事例も

地域観光と宿泊施設のマーケティング支援を手がける株式会社Hinotori(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大﨑庸平)は、海外からの集客を強化したいホテル・旅館・オーベルジュなどに向けて「インバウンド集客支援」を提供している。出発点はデータ分析と顧客理解だ。施設の強みと海外旅行者のニーズを整理し、どの国・地域の、どのような旅行者に選ばれる施設を目指すのかを明確にする。そのうえで、SNS運用、インフルエンサー施策、広告、公式サイト・予約導線の改善を組み合わせ、実行と検証まで伴走する。

まずは狙う市場と顧客を見定める
Booking.comやAgodaなどのOTAは、海外からの予約を増やすうえで重要な販売チャネルである。ただ、OTAへの掲載に加えて何に取り組めばよいのか、判断に迷う宿泊施設もある。同社は、こうした施設が抱えがちな悩みとして次のような点を挙げている。
- インバウンド集客を強化したいが、何から始めればよいか分からない
- 自施設と相性のよい国・地域や旅行者像が見えていない
- 施設のどの魅力が海外旅行者に評価されるか分からない
- SNS、広告、インフルエンサーなど、手段の選び方が分からない
- 戦略づくりから実行までを担う人材が社内に不足している
同社は、発信する言語や施策を増やすだけでは足りないとしている。施設の立地、客室、価格帯、滞在体験を旅行者の目的・ニーズと照らし合わせ、優先する市場と集客方法を定めることが必要だという考え方だ。そのため、施策を選ぶ前の課題整理から関わり、施設の状況に応じた戦略と実行体制をつくる。

分析から改善までをつなぐ4つのステップ
最初のステップでは、予約データや公式サイトのアクセスデータ、SNSの反応などを確認し、現在の顧客構成や集客経路、予約までの課題を整理する。必要に応じて顧客インタビューも行い、数値だけでは見えない旅行者のニーズや、施設が選ばれる理由を探る。データが十分に整っていない場合は、計測環境の整備や仮説の検証から支援する。次のステップでは、分析結果をもとに優先する国・地域、旅行目的、滞在スタイルなどを整理し、施設の強みを対象となる旅行者にとっての価値へと置き換える。あわせて、どの接点で認知を広げ、どの情報で宿泊への関心を高め、どこから予約につなげるかを設計する。目的に応じた指標を定め、施策の優先順位も明確にする。
3つ目のステップでは、戦略に沿って以下の施策を組み合わせる。各施策は個別に動かさず、同じターゲットと方針のもとで進める。
- インバウンド向けSNSの企画・運用、リールなどのコンテンツ制作
- 対象国や施設との相性を踏まえたインフルエンサーの選定・招致
- SNS広告・検索広告の運用とクリエイティブの検証
- 公式サイト・LP・予約導線の改善
- Googleマップ上の情報整備などのMEO対策
- 写真・動画の撮影、訴求内容の制作
最後のステップでは、認知・反応・サイト流入・予約など各段階のデータを確認し、次の施策を判断する。必要に応じてデータの統合・可視化も支援し、施設側が取り組みの状況を把握できる環境を整える。運用の内製化やノウハウの移譲まで、施設の体制に合わせて伴走する。

SQUEEZE「Minn」と東急「The Apartment Hotel by stylio」での成果
アパートメントホテルブランド「Minn」を展開する株式会社SQUEEZEでは、約45施設のデータ分析を起点に、MEO対策やインバウンド向けSNS施策を支援した。同社には宿泊業界特有のMEO・SNS運用に関する知見が社内に不足しており、予約・アクセスデータが分散していたため、優先すべき集客施策を判断しづらかった。さらに、Instagramの日本人フォロワー比率が高く、海外向けコンテンツが届きにくいという課題もあった。Hinotoriは約45施設の予約・アクセスデータを横断的に分析してMEO対策とSNS強化の方針を策定した。国別の反応を踏まえて米国を中心とするインバウンド向けの発信へ転換し、国内向け・海外向けのアカウントを整理してコンテンツと運用方針を再設計した。インフルエンサー施策や広告も組み合わせ、運用の社内移管まで支援した。主な成果は以下のとおり。
- Instagramフォロワー数:約5.4万人 → 10万人(投稿開始から約4ヶ月)
- エンゲージメント率:1.4% → 約7%(約5倍)
- 米国フォロワー比率:約10%まで拡大
- Instagram運用を社内へ移管
東急株式会社の「The Apartment Hotel by stylio」では、海外顧客を主なターゲットとするマンスリー賃貸の集客を支援した。マンスリー賃貸の集客を海外顧客向けにゼロから立ち上げる必要があったうえ、SNSや予約サイトへの流入が少なく、顧客のニーズを判断する情報も不足していた。加えて、少人数の社内体制で戦略設計から施策の実行・効果測定までを進める必要があった。Hinotoriはターゲット・マーケティング戦略を整理したうえで、英語での顧客インタビューを実施して海外旅行者のニーズを検証した。SNS広告・検索広告では複数の訴求やクリエイティブを検証・改善し、マンスリー賃貸の予約専用LPも制作した。予約・アクセス・広告などのデータを可視化し、施策の効果を判断できる基盤も構築している。成果は以下のとおり。
- マンスリー契約:8ヶ月で累計45件獲得
- 短期宿泊の自社予約率:12%
- Instagramフォロワー数:開設8ヶ月で1.2万人突破
- データをもとに施策を判断・改善するマーケティング体制を構築

宿泊運営の経験と自社メディアの実践知を支援に活用
Hinotoriは、宿泊施設の運営経験とマーケティングの専門性をもとに、集客戦略と現場の実行をつなぐ。分析・戦略、販売、SNS、広告、クリエイティブなど、課題に応じて専門家を組み合わせ、企画の提案から制作・運用・改善までを担当する。施設の人員や運営上の制約を踏まえ、ともに施策を進めるチームとして支援するという。また同社は、日本の文化や地域の魅力を海外へ届ける動画メディア「Japan of Japan」を運営している。自らコンテンツを企画・制作・発信し、視聴者の反応をもとに改善してきた経験を、宿泊施設の支援にも活かしている。同メディアは開始7ヶ月で総フォロワー40万人を達成した。SQUEEZEの新規開業施設を紹介した動画では、3本合計で366万回再生を記録している(公開事例記事記載値。Instagram・YouTube・Facebook・TikTok合算)。施設や企画との相性に応じて、同メディアでの紹介を含めた情報発信も相談できる。
支援の対象は、海外からの集客をこれから始めたい施設から、既存施策を見直したい施設までと幅広い。現状と目標に応じて支援内容を組み合わせる。対象国や旅行者像が定まっていない段階でも相談を受け付けており、現在の販売状況や施設の強み、運営体制を聞き取ったうえで、優先して取り組むべき課題を整理する。問い合わせは同社コーポレートサイトのフォームから受け付けている。同社は「地域のまごころが報われる世界を創る」をミッションに掲げ、地域観光と地域の宿泊施設の支援に特化したスタートアップだ。インバウンド向け予約サイト「Ryokanbook」の開発・運営と、地域の宿泊施設のマーケティングを支援するコンサルティングサービスを提供している。代表の大﨑庸平氏は、2024年3月に同社を創業した。
出典:株式会社Hinotori










